黒澤明作品で初めてのカラー作品「どですかでん」観た。興行的には失敗したらしいけど、その後に、似たテイストの映画なり劇画なりは、よく見掛けたので、様々な物書きさん達に影響、インスピレーションを与えたのだな、と思われる。主演の頭師さんなんて、ねじ式そのまんま。貧民街を舞台にした映画は沢山あるけど、多分この作品がきっかけなのだろう。兎に角様々な家庭のエピソードが次々に織り成す、形式的には違うだろうけど、いわばオムニバスなので、一言で言えない。出番は少な目な伴淳三郎さんは、喜劇人ながら、映画では「飢餓海峡」等でのシリアス演技の印象が強いので期待大だったし、あと、同じく喜劇人の三波伸介さんはそのまんまなナチュラルな佇まいだったけど、黒澤監督の、この映画への影響というものにキャスト選びもあった事が窺われる。最晩年には所ジョージ氏を起用したりしてたし。こんな所にも、シリアスな出来事が起こるけど、「喜劇」として観る、捉えて正解?なのだろうけど、この町に住む唯一の賢者といえる爺さんが、ルンペ…ホームレスと言わなきゃだけど、その父子がいつも架空の家を新築する会話をしてたけど、あれは、頭が変なのでなく、賢者の言う通り、現実逃避する、弱い人間なのかなあとか、兎に角変人キャラクターのオンパレード。ギャグをやって笑わせるのではなく、全てにほろ苦さがある、それが芝居の喜劇なんだろう。重いと言えば、とてつもなく重いエピソードでも、見方を変えれば可笑しいのかな…その点については考えさせられるし、人間は一度しか生きられないのだから、変に見えようと、おかしかろうと、見方は千差万別、笑われようと、シリアスになろうと、見方次第で変わるんだから。人間、生きる限りは滑稽だとしても、生きるしかない。キネマカラーが活きてたし、黒澤作品では一番エロティシズムが露骨だった。どですかでんの電車小僧が一番平和だったかなあと思う。でも、色々と規制の煩いこんにちでは、なかなか人の目に触れる機会が少なそうな作品。下世話なだけに、東映映画みたく大人な事柄を描いてるエピソードが多かったけど、感覚的で、当時としては実験的な喜劇作品だったのではないだろうか?武満徹さんの音楽が素晴らしかったです!!!

#喜劇

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