『孟子-②』-安岡 正篤


●尽心章句を読む

✪「孟子曰く、其の心を尽くす者は、其の性を知るべし、其の性を知らば、則ち天を知らん。其の心を存し、其の性を養うは、天に事(つこ)うる所以(ゆえん)なり。殀寿(ようじゅ)(天命)貳(たが)わず、身を脩(おさ)めて以て之を俟(ま)つは、命を立つる所以なり。」

✪孟子は言う、「われわれの心というものを十分に解明すれば、物事の個性・本質がわかる。万物の個性・本質が解明されれば、それを創造したところの造物者(天)の心がわかる。われわれの心をなくさないように心掛け、その個性・本質を大切に培養すれば、それがすなわち造化(天)の精神に随順する道である。

肉体が早死にするか長生きするかは問題ではない。生ける限り、ひたすら身を修めて、造化の原理に順応していくことが、造化という絶対者の働き(命)に帰一する道なのである。」


「尽心」とは、心を尽くすということは、われわれの心というものを十分に解明することを言う。一所懸命に精神力をふるうことじゃないんです。それは枝葉末節、解釈の単なる一つにすぎない。

もっともっと深い意味があるのです。
われわれの心というものがどういうものであるのか、心というものを十分に解明すれば、物事の性、個性、本質というものがわかる。

それがわかったならば、天がわかる、
造化がわかる、ということです。

つまり「尽心」という二字は大変な意味を持っておる。あらゆる科学も哲学も宗教も何もかもが、この「尽心」の一句に尽きるのだということをしっかり理解しなければなりません。


例えばわれわれの呼吸ひとつ取ってみても、心を尽くして関心をもって、研究していくと、われわれの吐く息ひとつ、千人千様、万人万様いろいろの息を生み出しておるのであります。


吐く息を試験管に吹き込んで、液体空気を使って、冷却装置で吟味してみると、息が液化して息の滓(かす)ができて、しかも人間の精神状態によってみんな違った色がつく。


その中で、非常に人を憎み、怒って人を傷つけ殺したというような者の滓が一番いけない。一番毒々しい黒褐色を呈している。その滓を抽出して実験用の小動物に嘗めさせたら頓死したという実例がある。

人間が人間を憎むとか怒るとかいうことがいかに悪いことであるかということが、呼吸から解明されるわけであります。

ナイスしてくれた人(39

  • j.nickName
  • j.nickName
  • j.nickName
  • j.nickName
  • j.nickName
  • 39

次の投稿

前の投稿

Official

realinfo

瞬間、瞬間を生きる。

人間の価値は、社会に対してどれだけプラスの影響力を与えることができるかにかかっている。

realinfoさんの最近のフォト

Simplog

便利なアプリをダウンロード

iphone QRコード
App Store
Google play

簡単ブログを
はじめてみましょう!

Simplogについて

ここに写真をドラッグ&ドロップ

ファイルを選択

※2MBまで