『三島由紀夫語録』ー秋津 建
●「美を探求する非情な天才」について

✪義理はマナーであって、モラルではないと思います。わたしの場合でいうと、一度でも恩義を感じた人、親しくした人の悪口は、口ではいっても、文字にはしません。わたしは物書きだからね。人情はほどほどがいいと思っていますね。


✪「義理と人情はどうお考えですか?」という質問に答えたのが右の抜粋文である。人情についての答えを補足すると、「人間関係の潤滑油としての人情は認めますし、持ち合わせているつもりですよ。」ということである。対談・座談会の席での三島氏は、口が悪いが、しばしばそれは的を射ている。三島氏とプライベートな接触のあった人々からの、三島氏の”口の悪さ”の証言も沢山得られている。しかし、それらの場合、三島氏の悪口を言う対象は”恩義を感じた人”や”親しくした人”でないことが多い。すなわち、文壇の誰それ、論壇の誰それ、あるいは対談の当の相手といったように”商売敵(しょうばいがたき)”である。

 

この三島氏の生来性といも言える口の悪さの因って来たる所が、父親の影響のせいであるとか、学習院に学んだせいであるとか、東京生まれの東京育ちであったせいであるとか、若い頃つき合ってた鉢の木会メンバーのせいだとか、等の詮索は他書に譲る。

一方、三島氏が書いたものの中に三島氏の悪口を見出すことはほとんどできない。三島氏は自身無類の小説を書いた作家であったが、他人の作品を批評する時、概して否定的でない面を強調することが多かった。つまり”ほめ上手”であった。晩年、三島氏は芥川賞の選考委員をやっているが、第62回の庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」や第63回の吉田知子氏の「無明長夜」に対する選評などはその好個の例であろう。

 

#義理はマナー #口は悪いが的を射ている #芥川賞の選考委員

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